01 ORIGIN BUTY MANEGMENT BOOK

01 ORIGIN BUTY MANEGMENT BOOK

P.G.C.D.JAPAN代表 野田泰平、
そのルーツを旅する物語。

一つの発見、一つの邂逅、一つの経験が積み重なって
「P.G.C.D.」というブランドが出来上がっている。
なぜスキンケアメーカーとして誕生したのか、
なぜいま「Beauty Management」なのか、
なぜ「美しくなる習慣」にこだわるのか。

それを少しでも知っていただくために、
『Beauty Management Book』をつくりました。
P.G.C.D.JAPAN代表の野田泰平がこれまで
感銘を受けた場所、こだわりを育んだ時間、
エポックメイキングとなった出会いをめぐる旅の記録。
第1号では、過去と現在を旅しながら、
そのルーツを代表自らの思いを語っていきます。

Biwako

Biwako

いま改めて琵琶湖を訪れて、
20年前へ思いを馳せる。

「人を美しくする化粧品が地球を汚している」という衝撃。
余計なものはいらない。そしてたどり着いたのが石鹸だった。

滋賀県の1/6を占め、日本最大の面積と貯水量を誇り、近畿の水瓶である琵琶湖。1960年以降、沿岸域の開発によって汚染が進み、1970年代後半には赤潮が異常発生し、工業排水に加えて合成洗剤や化粧品などを含んだ家庭用排水も問題になりました。私がこの事実を知った時、すでに環境保全への取り組みが進んではいましたが「人を美しくする化粧品が、地球を汚している」と知り大きなショックを受けたことを鮮明に覚えています。この出来事が一つの思いを抱かせる切っ掛けとなりました。“本当にナチュラルなもので、人も地球も美しくしたい。”
それが、私たちが石鹸への強いこだわりを持つようになった原点なのです。

琵琶湖を訪れたいま、その思いは変わるどころか、より強くなっています。水分量が少なく、余計なものを必要としない。ひとたび水に浸せば凝縮された成分が目覚めだし、泡を立てれば最高の状態で成分が花開く。そんな世界一の石鹸づくりをスタートさせ、2つのスキンケアソープを手始めに、常に最高の石鹸にこだわって開発をしてきました。特にスカルプケアソープ「サボン モーヴ」は、ポンプ式の液体シャンプーやコンディショナーの方が、どれだけ作りやすく、売りやすかったことか。
でも少しずつ美しさを取り戻している琵琶湖を目にして、私たちの選択は間違っていなかったと改めて思います。一方、海洋プラスチックによる海洋汚染は地球規模で広がっています。中でも化粧品にも使われているマイクロプラスチックは、一見美しい海でも確認され、海洋生物や人間への影響が懸念されています。まだまだ我々の思いは道半ばですが、使い捨ての容器を必要としない、丁寧に泡立てれば泡立てるほど、濃密で天然の成分が凝縮された泡が毎日出来上がる。そんな石鹸と出会えたことに感謝したいと思います。

※大きさが5mm 以下のプラスチック片。現在 51 兆個ものマイクロプラスチックが世界の海を漂っていると言われており、2018 年の G7で取り上げられるなど、 世界的に生態系への影響が懸念されています。

Paris

Paris

パリのマルシェ。そこには理想とする、
生産者と消費者の幸福な関係があった。

「おいしくて新鮮な食べ物を直接届ける」
つくり手の顔が見え、思いが伝わる。そんな関係を築きたいと思った。

渡仏する際に必ず訪れる場所があります。それはパリに80以上も点在するマルシェ(市場)。日本の市場と同様に活気に満ちあふれているのはもちろん、野菜や果物、魚、肉、花、チーズなど、日常に欠かせない生鮮品がジャンルを問わず所狭しと並んでいます。マルシェで手に入らないものはないと言われるほど。そのどれもが、さすが農業先進国だけあって、食べ物本来の味がする新鮮なものばかり。
ご近所に住む老若男女が買い物かごやエコバッグを持って訪れ、旬のおすすめを聞いたり、調理法を尋ねたり、世間話をしたり、お店の人と楽しそうに会話しながら買い物をしています。

何より気に入ったのが陽気なおばちゃんがつくるスムージー。大麦若葉と野菜や果物を絶妙に組み合わせた濃厚なスムージーを、注文に応じて1杯1杯その場でつくってくれるのです。中には材料となる葉っぱをケース買いする人がいるほどの人気ぶり。おいしさのあまり、何度も列に並んで飲むこと6杯。そこにはフランスの大地で育った自然の恵みと、おばちゃんの人柄が凝縮されていました。
フランスでは有機栽培のものを扱うお店が増えて、マルシェも改めて注目されています。つくり手が信頼に応えたものづくりをし、買い物する人がその思いとともに安心な商品を受け取る。しかもそれが生活に根ざしている。日々マルシェで繰り広げられる光景は、私にとって生産者と消費者との理想的な関係に思えました。ものづくりをする人間として、買っていただける方の信頼に応えたい。そして、直接お客様に私たちの思いも添えてお届けしたい。マルシェを訪れる度、その思いを強くするのです。

生産者の思いを凝縮する。彼らの思いを商品にのせてお届けする。その理想をかなえるために。

生産者の思いを凝縮する。彼らの思いを商品にのせてお届けする。その理想をかなえるために。

生産者の思いを凝縮する。
彼らの思いを商品にのせて
お届けする。
その理想をかなえるために。

パリで出会ったあのスムージーのように、賑わいに満ちたマルシェのように、つくり手から直接お客様に商品を届けることができないか。そんな思いから選択したのが、通信販売(EC)という手段でした。全国のお客様に商品を使ってもらうためには、沢山のお店を1社が持つには限界がある。ならばせめて、商社や問屋さんを通すことなく、他人の手をなるべく借りることなく私たちの商品をお客様にお届けしたい。フランスの大地で多くの素材たちを育んでくれた生産者の人たちや、ロレーヌ地方でその原料を丁寧に配合してくれた石鹸職人たちの思いまで届けられたら。だから私たちは、お客様に手渡すように商品と一緒に驚きや感動を届けられるような存在でありたいと願っています。

過剰なサービスはいらない。大切なのは「TRUST」。それが品質

過剰なサービスはいらない。大切なのは「TRUST」。それが品質

過剰なサービスはいらない。
大切なのは「TRUST」。
それが品質

毎年フランスに足を運ぶ度に、日本とヨーロッパのEC市場の違いを実感します。日本では、送料無料、時間指定や再配達が当たり前。一方ヨーロッパでは、サービスは有料が常識になっています。それでは何を大切にしているのか。彼らが大切にしていること、それは「より良い体験。より良いクオリティ」。特に最近は『TRUST』、つまり信頼がとても重要視されています。つくり手としての倫理観や環境への取り組み。今まで以上に健康で健全、倫理観をもってその商品がつくられているかが問われているのです。平たく言えば、きちんとした商品ということ。
私たちの商品をきちんと使ってもらうためには、まず私たちの商品がきちんとしていること。そこからはじめてお客様との信頼が築けると思うのです。

Tokyo

Tokyo

必要なものを見極めれば、
心が解放される。心が軽くなる。

暴言かもしれないけれど「ものは、なるべくつくらないほうがいい」。
ものが多いほど豊かな時代から、ものが少ないことが豊かな時代へ。

私たちのオフィスがある東京。ここでは次々に新しいビルが建てられては壊され、たくさんのものに溢れ、さまざまな商品が消費されています。この街で暮らしていると「この世の中で使われている商品たちの中で、ほんとうに必要なものはどれだけあるのだろう」という疑問を抱かずにはいられません。私たちの社会が進化しているのであれば、もっと無駄が省かれて都市も生活もシンプルになっていくはず。
女性のメイク一つをとっても、アイテム数もメイクにかける時間も年々増え続けています。でもそれは、ほんとうに美しさのために必要なアイテムや時間なのでしょうか。商品や時間を増やした分、美しくなっているのでしょうか。

私たちがつくる商品のアイテム数が極端に少ないのは、お客様にシンプルなケアをお届けしたいという思いに加えて、もう一つ理由があります。それは何のためにつくるのか。それはほんとうに必要なのか。その問いに答えられる商品をつくりたいと心がけているからです。ものをつくる以上は、つくる側に大きな責任があります。それをつくることで、どのように使われ、どのように棄てられるかまで。誤解を恐れずに言えば「できるだけものは、つくらない方がいい」とすら思っています。かつてものを持つことで豊かさを感じる時代がありました。でも、大量消費、大量廃棄の時代は終わろうとしています。そろそろ「ものがなくては不安」という呪縛から解き放たれて、心を軽くしてもいい頃ではないでしょうか。ものを減らし、ものに縛られない自由な生き方こそ、ほんとうに心を豊かにしてくれる、素敵な暮らしだと思うのです。

心とからだはつながっている。自立した心が美しさを磨いていく。

心とからだはつながっている。自立した心が美しさを磨いていく。

心とからだは
つながっている。
自立した心が
美しさを磨いていく。

京都に足を運んだときに、楽しみにしていることがあります。それは「香道」。香木を焚いてその味わいを鑑賞する香道は、さまざまな流派があるようで作法も異なるようですが、正直難しいお手前の作法は詳しく知りません。香の薫りそのものを陶然として楽しむことが大切だと思っています。
「香道」に限らず、なぜか「道」と付くものに惹かれます。
かつて武道は武術、剣道は剣術、茶道は茶の湯、華道は立花と呼ばれ、それが明治以降「術」ではなく「道」となりました。そこには型はあれど完成形はありません。
「道」という字は、“人間が行きつ戻りつを繰り返して得るもの”を意味するそうです。
まさに習慣。私たちの商品も皆さんの習慣となることで、美しさを極める「道」のような存在でありたいと願っています。

「道」と出会って実感した、
心の力の大切さ。

竹刀を握るようになったのが6年前。週に一度ですが、剣道の稽古は今や生活の中の一部になり、おかげさまで三段を頂けるようになりました。
剣道は「礼にはじまり、礼で終わる」と言われています。これにはさまざまな意味がありますが、私は「心の状態は形や態度に表れるものなので、相手に対し心に尊敬の念があれば必ず正しい礼の形となって現れる」と教えられました。また「剣道は平凡なことの繰り返しである。この平凡なことをどれだけ真剣にやり続けられるか。その繰り返しの中に心理がある」とも教えられました。
美しさも同じだと思っています。私たちが“年齢は美しさの一部になる”と謳っているのは、積み重ねてきた心の豊かさが必ず美しさとなって表に現れてくると信じているから。凜とした綺麗さは、上手な化粧ではつくり出せません。しなやかな美しさは一朝一夕では生まれません。毎日毎日いまと向き合って、丁寧に自分を磨いていく。そんな平凡な習慣を通して、私たちは美しさを育てるお手伝いをしたいと考えます。